振動実験の結果、通常のボール式や滑走プレート式では加震終了後もいつまでも揺れていたり、
元の位置に戻らなかったりの問題が発生しました。
減衰力がないボール式では、免震台が元に戻る時の方向と地震波の方向がマッチした時、共振増幅し予想以上の大きな揺れを引き起こすことになります。
また、復元力や減衰力のない滑走プレート式免震台では、台から外れてしまったり、
元の位置に戻らないための修復作業が必要になります。
通常のボール式では、復元力が強く働くために、加震終了後もいつまでも揺れてしまいます。
これは、減衰力がないために、振り子のように動き続けてしまうからです。
しかし、マーブルベアリングは、減衰力を兼ね備えているため、加震終了後、直ちに揺れを吸収します。
減衰力がないと、様々は振動波を持った地震波の場合、元に戻ろうとする復元力の方向と地震波の方向がマッチした場合、
共振し増幅し、大きな揺れになってしまうことになります。
マーブル型の当免震装置では、地震が発生すると、マーブルベアリングの摩擦効果により、免震台が減衰して行きます。
アブサーバーでは、マーブルベアリングをカバーする免震プレートが多面体になっているので、
急激に摩擦抵抗を発生させることなく、徐々に抵抗を増していく構造になっています。
この実証実験では、1100gal(震度7超クラス)の入力が、140gal(震度4~5)まで低減され、
機器の倒壊や免震台からの脱落なども発生しない、安全な免震装置であることが確認されています。